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薩軍

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「ビルマの竪琴」
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    「ビルマの竪琴」

    随分と久しぶりに『ビルマの竪琴』を読んだ。作者の竹山道雄が、
    原子力空母エンタープライズが寄港する時に受けた朝日新聞の取材
    に、寄港反対を言わなかったことが原因で朝日の怒りを買い、以後、
    朝日が紙面で執拗に因縁をつけ続けて、とうとう社会的に抹殺され
    てしまったそうなので、それではと読んでみたのである。
    改めて読み直すに、いわゆる自虐史観に根ざした表現が多々有り頂
    けない。もっともこれは、昭和22年から児童雑誌に連載された童
    話なので、当然のごとくGHQの検閲を受けているから致し方ないと
    もいえる。内容的にドイツ文学者であった竹山道雄の西洋人に対す
    る無垢な善意が垣間みられるのであるが、400年に渡りアジアア
    フリカを植民地として搾取し続けた白人の行動としてあり得んと思
    わざるを得ない。例えば、英国人がビルマの寺院に戦死者の遺骨を
    帰英するまで一時的に納骨するといった描写があるのだが、そもそ
    も宗教が違うし、当時のビルマ人など英国人からすれば犬畜生レベ
    ルの存在にしか見られてないのだから、これでは犬猫のペット霊園
    に人骨を納骨するのと同じになってしまわないか。(日本人にした
    ところで扱いは同じで、日本兵の頭蓋骨を恋人から送られた女がペ
    ン立てにして微笑んでいる写真が実際にある。この白ん坊の腐れ売
    女はダーリンが異境で珍しい動物を狩ったとでも思っているのであ
    ろう。)あるいは主人公の水島上等兵は、英国人の修道院の尼が敵
    味方の区別なく遺骨を弔う姿に感化され、遺骨の埋葬を始めるので
    あるが、上と同じ理由で、英国人の尼が日本兵の遺骨を埋葬したり
    するものであろうか。もっとも白人という思い上がり民族は往々に
    して上から目線で動物愛護などを叫んだりするから、珍しい猿の遺
    体でも埋めてやろうなどと思う尼の一人や二人はいたかもしれない。
    とはいえ、今現在もアジア各地や太平洋の島々で散華された英霊の
    御遺骨が彼の地で眠ったままになっていることを鑑みると、『ビル
    マの竪琴』のテーマは過去のものでないし、作者竹山道雄が、戦後
    の、何でも悪い日本が戦争の惨禍の原因だみたいな風潮に対する反
    感、そんなことより、家族のため、ひいては祖国のために戦い死ん
    で行った多くの人々にただ感謝しようという気持ちから執筆した本
    書は読み継がれるべき本なのに変わりがないのは確かだ。
    最後に特筆すべき箇所を抜き出して終わろう。新潮文庫版だと127
    ページより

    『いま新聞や雑誌をよむと、おどろくほかはない。多くの人が他人
    をののしり責めていばっています。「あいつが悪かったのだ。それ
    でこんなことになったのだ」といってごうまんにえらがって、まる
    で勝った国のようです。ところが、こういうことをいっている人の
    多くは、戦争中はその態度があんまり立派ではありませんでした。
    それが今はそういうことをいって、それで人よりもぜいたくな暮ら
    しなどをしています。ところが、あの古参兵のような人はいつも同
    じことです。いつも黙々として働いています。その黙々としている
    のがいけないと、えらがっている人たちがいうのですけれども、そ
    のときどきの自分の利益になることをわめきちらしているよりは、
    よほど立派です。どんなに世の中が乱脈になったように見えても、
    このように人目につかないところで黙々と働いている人はいます。
    こういう人こそ、本当の国民なのではないでしょうか?こういう人
    の数が多ければ国は興り、それがすくなければ立ち直ることはでき
    ないのではないでしょうか?』

    見事に昭和22年において厳しいGHQの検閲をすり抜け、敗戦利得
    者どもに警告を発しているではないか。朝日にとっては、どちらに
    しろ機会あれば消してしまいたい存在であったように思える。
    | - | 20:43 | comments(0) | - | - | - |